住まいは人権、ハウジングファースト!
4月に施行された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援新法)」について一般質問するため、この夏はあちこちに視察に行ってきました。
六甲ウィメンズハウス ~「ここにしか住めない」ではなく、「ここに住みたい」と思える自立支援住居~
30年前からDV被害女性を支えてきた「認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ」が六甲ウィメンズハウスを6月にオープン。家具・洗濯機・冷蔵庫が企業の寄付で揃っているのですぐに入居できます。40世帯分の部屋のタイプも、単身者用から子どもと同居できる大部屋まで様々。共用のシャワールームやコインランドリー、キッチンダイニングルーム、ワーキングスペースも。小学生までの子どもと同居ができるため、キッズスペースが広くとってあるのが特徴です。自立を目指すステップハウスなので、入居は3年、最長4年まで。
離婚したくても、お金、住まいが無いことがネックになって、我慢し続け、自分らしく生きることができない女性がいかに多いことか。親のDVを見ていた子ども、性暴力を受けた子どもの心身のダメージの実態調査、回復支援は、暴力の連鎖、貧困の連鎖を断ち切るための、重要な施策です。
くにたち夢ファームJikka ~地域に開かれた支援を~
国立市で女性の自立支援事業を行う「くにたち夢ファームJikka」は、市との官民協働事業「女性パーソナルサポート事業」を2019年度から実施しています。
困難な課題を抱える女性は特別な人ではなく、困難な問題を社会から担わされてきたということ。個人に責任を押し付けるのではなく、性別における構造的な課題ととらえ、女性を支える地域づくりをめざしています。自分を取り戻すためにも、堂々と、いままで暮らしてきたまちで、人とつながり、地域とつながって生きていく、本人の意思を尊重する、地域に開かれた支援が大事だと強く感じます。
共同の家プアン ~若年女性の育ちに寄り添う~
全国の性暴力救援センターの調査報告では、相談者の約4割が19歳以下、中学生以下が2割。DV被害者の外国籍女性や、日本国籍の中高年、若年女性の支援をしている「共同の家プアン」の利用者調査によると10~20代の8割以上が親からのネグレクトや性暴力、そして出産経験か堕胎経験がある、といいます。学校も中退、食事に関しても経験値がない、暮らし方の「貧困」状態。親や大人との信頼関係を築けずに育った子どもたちの不安や孤独とつきあって、退所後も見守っています。
被害者支援は孤立させないこと、本来持っている力を引き出すこと。そのためにも、女性支援新法をどう活用していくかが課題です。